ブレイキング・バッド シーズン2 第8話より:

Food for thought
考える材料、思考のネタ、考える価値のある事


ジェシーが逮捕された仲間・バッジャーを釈放させるために雇った弁護士・ソウルは
要求通り、バッジャーの釈放を成功させる。

ソウルの報酬は高額だったが、ジェシーの直感通り、
犯罪スレスレの手段を用いても顧客の要望を実現させる手腕は確かなものに思えた。

しかしソウルはある日、ウォルターの勤務する高校にフラリと現れる。

そして彼の来訪をいぶかるウォルターに
今後も秘密の裏ビジネスのトラブル処理を請け負う代わりに
自分にもメスの売上の一部を分けて欲しいと申し出るのだった。

What did Tom Hagen do for Vito Corleone?
トム・ヘイゲンはビトー・コルレオーネのために何をした?(ソウル)

I’m no Vito Corleone.
私はゴッドファーザーじゃない。(ウォルター)

No shit! Right now, you’re Fredo.
確かにな!今のあんたはフレドさ。(ソウル)

But with some sound advice and the proper introductions, who knows?
だがこの先も適切な助言や対応が出来る人間が要るんじゃないか?(ソウル)

(中略)

And I would like to be a small and silent part of it.
あんたらの恩恵をほんの少し、俺に分けてくれるだけでいいんだ。(ソウル)

Food for thought, yeah?
考えてみてくれ、な。(ソウル)

So if you want to make more money and keep the money that you make “Better call Saul!”
そうだ、これからもっと金を稼ぎたい時や、稼いだ金を守りたい時は「ソウルに電話!」してくれよな。(ソウル)


会話の最初にあるのは映画「ゴッドファーザー」の登場人物の名です。

ビトーはマフィアの親分の主人公・ゴッドファーザー、
トム・ヘイゲンはビトーの養子でコルレオーネ家の顧問弁護士もつとめる切れ者で
当然マフィア組織に仕える弁護士なので、ファミリーのために危ない橋も渡る人物。

そしてフレドとはビトーの次男で、のちに父の跡を継ぐマイケルの兄のことで
彼はマイケルに比べるとのんびりしていて、とても家業を仕切る度量はないとされている人物。

ソウルは自分を切れ者のトムになぞらえて、
のんびり屋のフレド=ウォルターをサポートしてやれると言っているんですね。

sound advice は「適切な助言」ということで、sound には「音」という意味のほかに
「健全な、適切な、正常な」という意味もあります。

そして Food for thought は直訳すると「考えるための糧」、
そこから「考える材料、思考のネタ、考えるべき事」という意味になります。

ここでソウルがウォルターに与えた Food for thought とは
これからトラブルがあった時に、誰か処理を頼める奴はいるのか?
居ないなら俺がやってやるよ、もし分け前をくれればな、というオファーであり
これはウォルターにとって「考える価値のある事」だろ?ということです。

今回の Food for thought は、交換条件を表していますが
他にも例えば先生から生徒に出された課題や、
読み終わった後も考えさせられるような本や手紙の内容といったものも
Food for thought で表せるのではないかと思います。



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